【魅惑のデーツ】                       

NPO法人 奈良オマーン友好協会 会員 菅野 雅子


夢のオマーンから帰国して1週間。ずいぶんと前の事のように感じる。私の人生の中で、中東なんてあり得ない訪問国。2年前、初めてお会いした『奈良オマーン友好協会』理事長の砥綿千恵さんからお誘いを受け、興味を持った国。始まりはデーツ。デーツって聞いたことはあったが、食べた事はない。いや、ある。ある百貨店の食品売り場で初めて見た。これは何?試食させて貰った。味はあんまり覚えていない。他のドライフルーツより高かった事だけは覚えている。んな果実か想像つかなかった。それから数年後、千恵さんから再び耳にしたデーツ。オマーンで獲れるんだ。デーツに初めて興味を持った。元々、酵母に関する仕事をしていた。千恵さんからいただいたオマーン産デーツで酵母を起こしてみた。ふかふかのモチモチのパンが焼けた。おーー!出来るじゃん‼そんなワクワク感を持って、デーツの母国を訪問した。想像していたのは、ジリジリ暑い乾燥地帯。全く違った。2月という気候だから?日本の湿度のある初夏よりずっと湿度がなく、気温はそこそこ高いが心地いい!この気候で、デーツはどんな風に栽培されているんだろう?砂漠という極地にも、とても強い果樹らしい。反対に湿度の多い土地で育つのには適さないらしい。所々に、それらしきナツメヤシの木。ん?これらしい。思っていたのとはちょっと違う。葉が生い茂ってる。まだ実はなって無いけど、収穫時期にはたわわに実がなるらしい。熟した物を食べていないから味の比較が出来ないけど生のデーツも食べてみたい!どんな味がするのか。オマーンの人たちはティータイムが何度もあり、そこには必ずデーツがある。今回のお宅訪問?いやいや超豪邸訪問で色々なデーツをいただいた。大きさも様々、色も味も食感も。日本で食べたのとは違う。上質の黒糖のようなコクのある甘みと干し柿の様な食感。1日に7つ食べるのが良いらしい。毎日喜んで食べた!でも聞くと1日3つ食べるのが本当らしい。食べ過ぎた。本当に美味しかった。スーパーマーケットに行ってみた。ここにはいろいろなデーツが売られていた。ノーマルなデーツにも色、大きさ違い、数多くが並んでいた。他にもチョコレートコーディングされた物。ピスタチオ、ココナッツなどのトッピング。中でもわたしが気に入ったのが、オレンジピールの入ったデーツは最高だった。このスーパーマーケットのデーツは量り売りで試食もさせてくれる。ダメだ。やっぱり食べ過ぎた。日本にはこんなに種類豊富なデーツはない。お菓子にも中にフィリングとして使われていたりした。オマーンのお菓子は欧風菓子と言うよりアジアンテイストのお菓子が主流のように見えた。デーツシロップ、デーツペースト、デーツオイルもあった。お菓子はもちろんお料理にも使われていた。こんなにデーツが豊富なのに、デーツのパンはあまり見かけなかった?ように思う。まして、デーツ酵母のパンは無かった。ピタの様なパンや、インドのチャパティの様なパンはたくさんあった。日本では最近になって知られる様になったデーツ。スーパーフードとして取り上げられる様になったデーツ。まだまだ私にとっては、魅惑的な果実。このスーパー果実をどう変身させるか、私の今後の課題かな。